懸賞なび

つかまい子のインドネシア紀行「ティダ アパ アパ」

コラム紹介

毎月一回更新★
ある日突然、インドネシアで暮らすことになったフリーランスのライター・まい子さん。夫婦×幼い子ども2人の家族4人でスタートした首都・ジャカルタでの日常や、現地の人々との交流をつづります。

2023年11月22日
つかまい子のインドネシア紀行「ティダ アパ アパ」 第11回目

「世界一おいしい」インドネシア料理とは?

「世界一おいしい料理」ってなんだと思う?
「えー、やっぱりフランス料理の何か? それともイタリアンのパスタかピザ? 中華料理だったら北京ダックとか。やっぱり、日本の寿司でしょう!」なんて考えた方もいるかな。
 いえいえ、米ニュースメディアCNNの「World’s 50 best foods(世界の50の美食)」で、2017年に1位に選ばれたのは、インドネシア発祥の料理「ルンダン(Rendang)」なの。
「ん? ルンダン? 何それ。聞いたことないんだけど」って、ほとんどの方は思ったよね。私もそうだったよ。
 ルンダンっていうのは、牛肉などの塊肉をココナッツミルクと多数の香辛料で長時間煮込んだ肉料理。インドネシア最大の島・スマトラ島西部の州都パダンの伝統料理なの。今ではパダン地方だけでなく、インドネシア全土やマレーシア、シンガポールでも食べられるんだ。




 インドネシアではおもてなし料理として知られていて、レバラン(イスラム教の断食明け大祭)などの祭日に、コトコト長時間かけて煮込んで準備する特別な高級料理なんだよね。日本でいうとお節料理とかに近い感覚かもね。




↑インドネシアのホテルビュッフェにあったルンダン

 さて、世界一に選ばれた料理、落ちるほっぺたがふたつじゃ足りないかも!とワクワクしながら、ジャカルタのレストランでチョバ(「トライ」という意味のインドネシア語)してみたの。
「おお! うん、おいしいね。牛肉もトロトロやわらかくて、ソースは重なり合ったスパイスが複雑な深みを出しているし。でも、ちょーっとオイリーだし、味が濃いね……これが世界一…なんだね!」
 というのが私の率直な感想(笑)。あくまで私の感想だけど、たくさん食べるには日本人にはちょっとくどいかな。たっぷりの白飯にちょっとかけるとか、佃煮的な食べ方だと良さそう。でも毎日食べる物じゃなくて、たまに食べるお祝い料理としておいしいと思ったよ。
 それにしても、正直、世界的に有名とはいえないルンダンがなぜ世界一になったのか? ちなみに、その年の2位もインドネシア料理の「ナシゴレン」。ナシゴレンは有名だからまだわかるとはいえ、ベスト1&2そろってインドネシア料理って……なんか怪しい(笑)。ちなみに3位は「寿司」だったけどね。
 実はこれには裏話があるって、インドネシア在住歴14年の日本人の先輩から聞いたの。このランキング、投票がFacebook上で行われたんだって。人口世界第4位のインドネシア、単純にFacebook人口も多いんだよね。人口1位の中国はFacebookを使用できないし。そしてこの時、インドネシア人が自分たちの特別な料理を1位に押し上げるべく投票を呼びかけあったんだって噂。つまり、投票に参加した人数がインドネシア人が一番多かったってわけ。こう聞くと「なーんだ」って感じだけど、それだけインドネシア人を熱くさせる料理ってことだから、機会があったらぜひチョバしてみてね!




↑オシャレなインドネシア料理屋にあったルンダンピザ
↓スーパーに置いてあったインスタントルンダン





参照
CNN travel”World’s 50 best foods”
https://edition.cnn.com/travel/article/world-best-foods-readers-choice/



プロフィール

つかまい子
早稲田大学卒業。在学中から俳優として活動する。2015年より、本格的に執筆活動を開始。現在は朗読絵本作家として、絵本のストーリー執筆のほか、企業イベントなどでの読み聞かせや朗読講師もつとめる。ジャカルタでは、インドネシア人や日本人の子どもたちに向けた読み聞かせや演劇などのイベントも行っている。著書に『にじいろかあさん』(CHICORA BOOKS)、『サンサンのだいぼうけん』(白夜書房)ほか。

ブログ:つかまい子の「つかまいうぇい」

インスタグラム:@tsukamaiko

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