懸賞なび

つかまい子のインドネシア紀行「ティダ アパ アパ」

コラム紹介

毎月一回更新★
ある日突然、インドネシアで暮らすことになったフリーランスのライター・まい子さん。夫婦×幼い子ども2人の家族4人でスタートした首都・ジャカルタでの日常や、現地の人々との交流をつづります。

2023年12月20日
つかまい子のインドネシア紀行「ティダ アパ アパ」 第12回目(最終回)

インドネシアでしかできない体験

「バリ舞踊」って知ってる? バリ島に旅行したことある人は見たことがあるかもしれないけど、日本ではあまりなじみがないよね。インドネシアのバリ島に古くから伝わる伝統舞踊で、元々はバリ・ヒンドゥーの儀式や祭礼のためにできたんだけど、今では観光用にもたくさん踊られているんだ。




 私も、子供の頃、家族旅行でバリ島に行った時に初めて観て、異国情緒あふれるガムランの音色に合わせて踊る、バリ舞踊の独特な動きや表情、衣装やメイクの神秘的な雰囲気に魅せられた覚えがあるんだよね。だから、せっかくインドネシアに住むなら、ぜひバリ舞踊を習ってみたいって思ったの。ジャカルタにもバリ舞踊教室はたくさんあって、在住日本人の奥さんたちにも人気の習い事なんだ。
 そんなわけで、ジャカルタに住み始めてすぐにバリ舞踊教室を探したの。コロナ禍で多くの教室が休止していた中、再開して間もない「パドマサリ」という教室にたどり着いたんだ。ここは、バリ人の舞踊家プトゥ先生が20年以上前に作った教室で、たくさんの日本人の奥さんなどがここで習ってきたんだ。




 バリ舞踊、実際やってみると見た目よりずっと難しいの。肘を肩と同じ高さまで上げて開くポーズ、首を横にスライドさせるような動き、目をカッと見開いてギョロッと横を見るなど、かなり独特で。バリ人のダンサーは、小さい頃から始めて舞踊学校で学んだりするんだから、簡単にできるようにならないのは当然なんだけどね。難しいからこそやりがいあるし、バリ舞踊を通してインドネシア文化への興味が深まるのもあり、けっこうハマってるの。






 習い始めて1年ちょっと、この前3回目の発表会があったんだ。踊りも3曲目になって難易度もグッと上がって。ジャカルタにある「タマンミニ」っていうインドネシアを凝縮したテーマパークの「バリ館」で、本場バリのステージさながらの雰囲気の中踊ったの。しかも、初めてのガムラン生演奏。テープとは違うライブ感で、その都度テンポも違うし難しかったけど、本番は本当に高揚した。人が識別できないレベルの激濃メイクにきらびやかな衣装の着付けは、専門のバリ人ヘアメイクさんにやってもらうんだけど、すごい時間かかるから朝も早いの。毎回大変だけど、こんなのインドネシアにいなきゃ体験できないから、ティダアパアパだよね。

 いろいろ大変なこともあるけれど、日本では経験できないことがいっぱいあるインドネシア生活が、やっぱり楽しい!






 1年経ったので、このコラムは今回でとりあえず最終回だけど、こちらの生活の空気が少しでも伝わっていたらうれしいな。読んでくれてありがとうございました。ブログやインスタグラムでは今後もレポートするつもりだから、良かったらのぞいてみてね!



プロフィール

つかまい子
早稲田大学卒業。在学中から俳優として活動する。2015年より、本格的に執筆活動を開始。現在は朗読絵本作家として、絵本のストーリー執筆のほか、企業イベントなどでの読み聞かせや朗読講師もつとめる。ジャカルタでは、インドネシア人や日本人の子どもたちに向けた読み聞かせや演劇などのイベントも行っている。著書に『にじいろかあさん』(CHICORA BOOKS)、『サンサンのだいぼうけん』(白夜書房)ほか。

ブログ:つかまい子の「つかまいうぇい」

インスタグラム:@tsukamaiko

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